住み慣れた地域で、
自宅で人の手を借りながら
生活をしていく
その生活を支えるうえで
必要になることって
なんだと思いますか?
もちろん福祉用具をそろえることや
ディサービスや訪問サービスを入れて
引きこもり予防をすること
環境面を整えるのは
とても大切ですし欠かせないものです
ではモノだけ整っていれば
介護生活は成り立つかというと
そうではないですよね
支える側、も気持ちや考えを
改めなければなりません
これまで通りの接し方や
お手伝いでは通用しなくなる
それを覚悟しなければならないし
受け入れなければならない
相手の言動・行動が理解できなく
なる可能性だってある
そんなときに見捨てない、
理解はできなくても寄り添う
姿勢を維持することも必要です
今回はそんな介護者に必要なことを
3つ挙げてお話したいと思います
【相手に寄り添う気持ち】
これまで通りのやりとりが
通じなくなるというのは
歳を重ねるごとに
どうしても出てきてしまいます
それは耳が遠くなったことで
起こり得る話ですし
認知症となると当たり前の世界
でも、そんなときでも
相手に寄り添う気持ちというのは
忘れないで欲しいんです
そもそも介護(在宅の場合は特に)は
ご両親・祖父母に対して
行うことが大半です
(それ以外だと仕事になるかなと)
仕事の場合、介護で寄り添う気持ちを
全く持っていない方は、
介護ができません
なぜかというと、
相手から信頼されないからです
寄り添っていない心は
言葉や態度として現れ
相手に伝わります
寄り添って相手の気持ちになって
考えていくことで、
相手の考えていることや
悩みなどを一緒に解決していくのが、
介護の仕事です
自分の意見ばかり言っていても
相手は信頼もしませんし
「この人は私のことを
考えてくれていない人」と
思われてしまいます
話しが通じなくなってしまったとしても
人と人同士、信頼関係が前提にあります
何か助けてもらいたいとき
信用できないような人には
何も頼りたくありませんよね
それは自分に寄り添ってくれている
感じがないから、じゃないですか?
なのでまずは寄り添うことを
大切にしてください
自分の意見は一旦置いておいて、
どう感じて、どう考えているのか、
「自分とは違う」というところ
受け入れて相手の話を聞く
これだけでも
寄り添ってくれていると
感じられます
ご両親だからと言って
強い口調で話してしまっていると
信頼関係がどんどん崩れてしまい
お互いに辛くなるばかりです
認知症の方の意見を聞いてても
らちが明かないという方も
いらっしゃるかもしれません
それでも、その方が住む世界に
合わせてあげる、話を聞く姿勢で
関わってあげて下さい
それが寄り添うということに
繋がりますよ
【介護を続ける継続力】
私自身まだ親の介護はしていませんが
仕事ではいつもご家族の
頑張りを見てきています。
苦労話などもたくさん聞いています。
そのうえで在宅介護を続けている
というのは胸を張ってよいと
思っています
ただでさえ世知辛いなか、
他人の世話をしている
自分のことだけで精いっぱい!
という方がいるなかでも
人の世話をしている
十分すごいことなんです
大した事なんかない、なんてことはない
ご自身の時間を削って
ご両親の介護に向き合うって
すごいことなんです
そもそも人の世話を何かする
ということは
コミュニケーションをとりながら
行うことになります
ですが高齢で、しかも認知症があると
うまくコミュニケーションが取れず
かなり大変なことなんです
こっちは良かれと思ってやったことでも
相手にとってはいらないことだったり
やってほしくないことだったりします
特に認知症の方であれば
やったことをすぐ忘れてしまう
なんてこともざらなので
そこで言い合いになったりもします
今もSNSで在宅介護をされている方々の
投稿を見ていますが
やはりご家族からすると
かなり辛そうなんですよね
それでも根気よく頑張って
介護をされているのは
素晴らしいことなんです
【第三者に頼る勇気】
訪問看護の仕事をしていて
サービスを受け入れるまで
時間がかかる家族さんは
たまにいらっしゃいます
「来て欲しいなんて言っていない」
「自分たちでやれている」
と言われてしまうことや
「人の手を借りなくても
生活できている」
と本人に言われたり
わたしたちも必ずしも
スムーズにサービスに
入らせてもらえている
わけではないんです
でも何度か入らせてもらうと
「こんなことまでしてもらえるとは
思わなかった」
「これなら来てもらった方がいいわ」
と受け入れてくれるように
なることがほとんど
もちろんサービス内容については
説明をしていますが
具体的に自分たちには
どういったメリットがあるか
そこのイメージがつきずらく
拒んでしまっている印象が
ほとんどでした
また、介護はじぶんたちで
やらなきゃ!という意識が
すごく強いことで
他者からの支援を受け入れられない
そういった方もいます
ただ、以前にもお話した通り
自分たちで神経すり減らして
介護しなきゃ!
で、出来ることではないんです
サービスを入れることで
見えてくる問題がある
ケアマネージャーでも
気づけなかった問題を
他のサービスが気づき
サービス間で共有する
何を整えたら介護環境として
整うのか
サービスを利用するということには
あらゆる専門家による視点から
在宅介護をしていく上での
問題点をみつけだし改善できる
こういったメリットもあるんです
一つの視点からでは限界があります
あとは入っているサービスを
信じてください
訪問を終えて記録するだけが
私たちの仕事ではありません
以前とお家の中が変わった様子がないか
家族さんの体調優れないらしい
本人は大丈夫と話していたが
ヘルパーを入れてあげたほうが
いいかもしれない
こんなことを話していたが
何か聞いているか
看護師からでは説得できないので
受診時に話をきいてもらえないだろうか
ケアマネや入っている他サービス、
受診先の病院や訪問診療医に
連絡をして連携を図っています
たった1時間ないし30分の
訪問・サービスで
色んなところに
目を向けて情報共有しています
それは少しでも長く
自宅での生活を続けてもらうため
介護を続けてもらうため
ただし信用してもらえないことには
うまくいきません
お互いの信頼関係あっての
介護サービスです
「こんなこと…」という内容でも
構わないんです
少しでも気にかかるようなこと、
じぶんじゃ解決できそうにないこと、
その解決策がわからないこと
ぜひ、頼って、話してほしいです
自分一人で・家族だけで
という考えですと、
介護はできなくなります
行き詰ってしまいます
でも周りにはちゃんと
助けてくれる人がいます
遠慮はしてほしくないし
どんどん頼って欲しいんです
いろいろな専門職がいるので、
誰かに情報を話すことで
それが関係者に伝わっていきます
頼るって最初は勇気が必要ですけど
それを踏み出せたら
気持ちが楽になるんです
その頼る人のなかに私も
入れていただけたらと思っています♪