認知機能が低下すると

思いがけない行動に出ることが多く

 

少し目を離したすきに怪我をしていた

 

一人で出ていってしまい事件や

事故に巻きもまれてしまった

 

といったことも起こりえるため 

認知症ケアにおいて

「見守り」は家族や介護者にとって

重要な役割を果たします

 

しかし、付きっきりで

監視するというのは

 

したいこともできなくなるし

家事も滞ってしまいます

だんだんと行動のひとつひとつに

 

気がたつように

なってしまうこともあります

 

そのため

全てを監視するように見守るのではなく 

本人の自立を尊重しながら

サポートしていく方法について

今回はお話していこうと思います

 

 

わたしたちもそうですが

行動の一つひとつを

監視されているというのは

気分のいいものではありません

 

いくら安全のため、といっても

される側にとっては

とても不快です

 

見守る側も

行動の一つひとつを見ていると

つい手が出てしまったり

声が出てしまったり

 

それは決してポジティブな

ものではありませんよね

 

「そんなことしないで」

「余計なことしないで」

「どうしてそんなことするの」

「触らないで!」

 

認知症あるなしに関係なく

これらの言葉をかけられると

萎縮してしまいますよね

 

出来ることを奪われている

不安やストレスとなりますよね

 

 

見守る側にも

ピリピリしてしまいますよね

 

 

このように監視をするというのは

声をかける方も、かけられた方も

 

 

介護で「見守る」というのは

 

 

というのが目標になります

 

そこに「ストレス」や「負担」が

あるのは適切な距離感ではありません

 

認知症であっても

つきっきりで見守る

 

というのは正解ではないんですね

 

  

適切な距離感というのは

各々違いますし

これぐらい!と数値化できる

ものではありません

 

なので探り探りになる

ということは大前提となります

 

その探り方について

お伝えしていこうと思います

 

1.本人の能力を尊重する

認知症の進行度に応じて

本人ができることを知っておく

 

というのは距離感を図る上で

大切になります

 

というのも

何が出来て・何が出来ないのか

によって手を貸す・目で見守る

範囲が変わってくるからです

 

認知症であっても

可能な限り自分でやらせることで

 

本人の自信にもつながりますし

じぶんたちの介護負担を増やさない

ためのポイントにもなりますよね

 

 

例えば

着替えは

少し手伝うだけで出来るのか

1から10まで手伝わなければ

ならないのか

を考えてみましょう

 

季節感のに合った洋服を

選ぶことはできないが

着脱は自力で出来る

 

モノの準備はできるが

前後ろを間違えてしまう

 

被る服は着れるが

ボタンは上手くかけられない

 

裾通しはできないけど

自分で上げることはできる

 

着る・脱ぐという行為も

たくさんの手順を含んでいて

そのうちの何ならできるのか、

どこから先ができないのか

 

というのを見極めてあげると

全てを手伝う必要は

なくなりますよね

 

時間があるなら着る洋服の

選択肢を与えてあげる

というのもいいですね

 

2.環境を整える

歳をとると

模様替えをするのは

難しい話になります

 

また、何が危険になるのか

というのも考えが

及ばないものです

 

なので家族から見て

危険だな、と感じるものは

あらかじめ排除しておくこと

 

困らないために用意をしておく

 

というサポートが必要です

  

段差があると躓いてしまう、

カーペットの端で躓いて

しまうのであれば

床を整理してあげる

 

忘れ物をしないように

必要な物を見やすい場所に置いたり

玄関ドアに「確認事」として

注意喚起をしてあげたり

 

一人で出ていってしまう場合には

アラームを設置したり

GPSをよく持ち歩くカバンなどに

忍ばせておく

 

といった対策がありますね

 

これは一部例外ではあるんですが  

わたしの経験上

認知症なのにすごいな、

という方がいました 

 

その方はHDSR10点台の認知症ですが

ご主人を亡くされても一人暮らしを

続けていました

 

娘さん方は遠方で

頻繁に行き来があるわけでは

ありません

 

生活はヘルパーさんがいないと

成り立ちません

 

お薬だってカレンダーに

朝だけ・3日ごとにセットを

していても忘れてしまうほど

 

部屋の片づけは自分じゃできない

方でした

 

しかしそんな方でも

週に何度か天気をみて

隣町までバスやJRを乗り継いで

友人のところへ遊びにいっていました

(片道1時間以上はかかります)

 

 

サービスの日を忘れて

出かけてしまうことも

しょっちゅうあったので

 

訪問日には朝一で連絡をして

出かけないように対策を

していましたが

 

ちゃんと行って帰ってこれてたんです

 

 

もちろん出先でなにかあっては

大変なのでケアマネさんと相談をして

名前・住所を書いたネームプレートを

カバンに紐づけして

持ち歩いてもらいましたが

 

一度もそれが活用されることは

ありませんでした

 

 

この方のようにみんなが

うまくいくかと言われたら

そうではないのですが

 

周囲の人の予想を超えた行動でも

住み慣れた環境、

行き慣れた場所では

難なく自由に過ごせてしまう方も

いるんですね

 

 

3.定期的に様子をチェックする

これまでの流れから

過剰に見張るのではなく

適度な距離感で

様子をみても大丈夫ですよ

 

ということを認識

していただけたのではないでしょうか

 

一つ目安を設けるのであれば

本人が困ったときに

すぐ助けられるぐらいの

近さ・遠さ

 

がベストかと思います

 

どうしても初めての介護では

近づきすぎてしまいます

 

なんでも手を貸さなければ!

となってしまいがちです

 

 

でもそれではお互いに

ストレスとなってしまうので

 

常に視界に入れるのではなく

首を動かしたら確認できたり

聞き慣れない物音が聞こえた時に

すぐ確認できるような

 

そんな距離感をみつけられると

いいですね

 

 

【安心感と自立のバランス】

認知症ケアにおける「見守り」は

本人の尊厳を守りつつ

 

介護者の負担を軽減する

重要なアプローチです

 

安全で適切な環境

本人が困らないような準備

お互いにストレスの少ない距離感

 

を心がけ

本人の生活の質を高めることを

目指しましょう♪

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