自宅で介護するということは

介護する側とされる側が

同じ家の中で時間を過ごすため

 

家族全員にとって

深い影響を与えるものです

 

しかし、1人で介護を抱え込むと、

身体的・精神的な負担が

大きくなりがちです

 

 

介護の負担は

とてもひとりで抱えられる

ものではありません

 

目に見えて苦労が分かる負担から

目に見えない心の負担まで

さまざまありますが

 

どちらにせよ

ひとりでは抱えきれない

大きな負担なのです

 

大きな荷物をたくさんの人と

協力して運ぶように

 

介護は

たくさんの人を巻き込みながら

分散させて対処していくべきなんです

 

  

介護をする上で

一番身近なつながりが

家族であり

 

家族がチームとして協力し、

それぞれの役割を果たすことが、

介護の質を続けていく鍵となります

 

今回は、在宅介護における

家族の役割についてお伝えします

 

 

在宅介護では主な介護者

(多くの場合は配偶者や子ども)が

中心となりがちですが

 

家族「全員」が協力して役割を

分担することで負担が軽減されます

 

しかし、この役割分担が曖昧だと

 

そうならないためにも

家族全員で話し合い、

それぞれができる範囲で

役割を分担することが大切です

 

 

介護をする上で必要な役割は

以下に分けられます

 

(1)主介護者の役割

・日常的な介護を担当

(食事、排泄、入浴など)

・ケアマネージャーとの連携

・他の家族や支援サービスとの調整役

(2) サポート役

・買い物や食事の準備を手伝う

・家事(掃除や洗濯など)を分担する

・被介護者との話し相手になることで

 精神的サポートを行う

(3) 外部との橋渡し役

・地域の介護サービスや

 施設の情報収集

・必要な医療機関の予約や

 手続きの担当

・家事(掃除や洗濯など)

・金銭的な管理や行政手続きをする

(4) 週末や休日の交代要員

・主介護者の休息時間を確保するため、

 休日や短時間でも介護を代わる

・介護者が趣味やリフレッシュの時間を

 持てるようにサポートする

 

 

介護にはこれだけの

役割が必要なのだから

とても一人でできるものじゃないのが

よく分かると思います

 

逆に、ひとりで出来るでしょ

と思っている方は

これを見て考えを

改めてほしいところです

 

  

これらを振り分ける実践ポイントとして

2つあります

 

① 得意なことを活かす

・料理が得意な人が食事の準備する

・力仕事が得意な人が移動介助を担当 

などなど

 

家族それぞれの

個性や強みを生かした

役割分担をする

 

② スケジュールを共有する

介護日誌やそれぞれの予定を考慮し、

誰がどのタイミングで

何をするかを明確にする

 

仕事や学校、それぞれの用事によって

家族の誰かに役割を

代わってもらわなければならない

場面が必ず出てきます

 

介護は止まることがありません

 

それぞれの予定を共有しておくことで

想定外のことが起こったとき

だれに頼めるのかが分かり、

 

出来ないことであれば最低限

何をしていたらいいのか

 

依頼もしやすくなります

 

家族で補えない場合は

サービスを活用するのもアリです

 

役割分担をスムーズに行うには、

家族全員が同じ意識を持ち、

具体的に協力方法を

決めておくことが重要です

 

そのためには

定期的な家族会を開くことを

おすすめします

定期的な家族会議を開くことで

 

・介護に関する現状や課題を共有する

・「誰が」「いつ」「何を」行うかを

 具体的に話し合える

・感情の共有や悩みを話し合うことで、

 全員が同じ方向を向けるようにする

 

ようになります

 

 

ここで気をつけなければならないのが

全員が無理のない範囲で関わる

ということです

 

 

介護は無理をかけて頑張るものでは

ありません

 

なぜなら介護は年単位で

続くものだからです

 

時間の経過とともに

介護する側も歳を取ります

 

その時はよくても

だんだんと厳しくなります

  

必要のなかった力作業も

必要になってくることだってあります

 

役割を分担したあとも

家族の状況をみて

役割を見直す

 

これを繰り返して

負担に偏りがないように

していきましょう

 

こうして役割を見直していくと

家族だけではカバーできない

場面も出てきます

 

ひと一人が介護に参加できなくなると

思ってた以上の負担が

残った家族にのしかかります

 

だからといって

無理をしてでも

頑張ってください!

ということではありません

 

無理のない介護をしていくために

地域には介護サービスがあるんです

 

 

ただ、なかには人に頼ることが

得意でない方もいますよね

 

 

 

でも、できないことがあるって

当たり前じゃないですか?

 

私も料理は得意でも

魚は未だにさばけません笑

 

なのでスーパーで処理してもらっている

魚を使って料理をします

 

これも人の力を借りている、

出来る人に頼っている例ですよね

 

介護も同じです

 

むしろ介護は別物、だなんて

思っていませんか?

 

人間だれしも得意不得意はあります

 

キャパシティも人それぞれです

 

「あの人は出来てるのに私はできない、

そんな自分はダメなんだ」

 

そんなこと考えなくていいんです

  

一人で頑張ることが正解

ではありません

 

介護とは

周りの人に助けを借りながら

成り立つものだということを

忘れないでください

 

よく自分のことは後回しにして

介護を頑張りすぎている方を

みかけます

 

きっとそうなってしまう背景として

  

高齢者が見た目にも社会的にも

「弱者」として分かりやすい

ポジションであるから

守らなければならない

 

こういった意識があるからでは

ないでしょうか

 

弱い者を助ける・守る

というのは大変すばらしいことです

 

でも、介護をする側が

強者かと言われたら

決してそうではないと

私は思います

  

社会的に仕事もできて、

一人で生活を営める能力があっても

 

介護のために身を削って、

心を病んでしまっては

強者なんかじゃないです

 

家族もまた守られるべき対象なんです

 

つまり、介護を受ける・介護をするに

 

介護をする側は

休むこと・サービスを使って

楽をすることに対して

非常に後ろめたさを感じやすい

 

「できるのにやらない怠け者みたい」

 

絶対そんなことはないです

 

 

ではないんです

 

体調を労わることも

もちろん大事ですが、

定期的に感謝の言葉を伝えるだけでも

心の持ちようはかなり変わります

 

 

家族同士体調もメンタル面も

気にかけあいながら

介護を続けていく

 

家族がいても

孤独を感じてしまう瞬間があります

 

そんなとき

みんなと一緒に頑張れていると

思えたら、気づけたら

どれほど心強いでしょうかね

  

在宅介護は一人ではできません

 

ひとりでするには

負担が大きすぎるから

 

他者の協力が欠かせません

 

まずは家族がチームとなり

役割を分担しながら支え合うことで

 

介護の負担を軽くし

より良い時間を過ごすことができます

 

大切なのは

家族全員が「一緒に頑張ろう」という

意識を持ち、時には助け合い、

時には休むことも大切にすることです

 

在宅介護を通じて

家族全員が心の余裕を持ちながら、

大切な人と過ごす時間を

少しでも長く続けられるよう

願っています

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